丁寧に日々を重ねた豊かな暮らしを実現してくれる「若狭工務店」は、お客様の想いを第一に考え、自らもその想いをたぐり寄せた「お客様ファースト」な家づくりを行っています。帰ってきたときに“ほっ”とするあたたかな毎日と家族の笑顔があふれる日常を映し出します
夢絶たれて、見い出した「建築」という道
創業から今までの経緯を教えてください。
1963年、今から60年ほど前に、大工をしていた父が独立して始めた会社です。
学生だった私は会社を継ぐという意識はなく、当時放映されていた俳優・森田健作が主演していたドラマ「おれは男だ」に影響され剣道を習っていたので、夢は「警察官」になることでした。警察官になるため大学の推薦もいただいていたのですが、父に反対されて、「ここへ行け」と決められた甲府工業へ渋々進学しました。その頃の時代は、長男が家業を継ぐのが当たり前でしたので仕方ありません。気持ちを入れ替え、建築の道で生きていくと覚悟し、高校を卒業してからも、日中は工務店で働きながら修業し、夜間に建築の専攻科へ行き勉学に励み、2級施工管理士の資格を取得しました。
工務店2社で修業し、2004年に2代目として私が引き継ぎ、ここまでやってきました。引き継いだ当時は、弟も一緒に働いていたのですが、その後独立して同じ業界でお互い切磋琢磨しています。自分が好きな仕事に就けなかったこともありますが、やはり自分の歩みたい道があり、弟同様子どもにこの会社を継いでほしいという気持ちはまったくなく、息子たちには好きな仕事をしてほしいという願いがあります。私は夢を諦めましたが、その夢を長男が引き継ぎ、立派な警察官になっていることが嬉しいですね。


これからの時代に求められる、先を見据えた家づくり
性能はもちろんですが、太陽光をすすめているとお聞きしました。その理由、そして家づくりに於いて大切にしていることを教えてください。
太陽光発電システム(再生可能エネルギー)は、家計にも環境にも優しいシステムで、冬は暖かく、夏涼しい健康で快適な暮らしを約束することができます。緊急時の非常用電源の確保にもつながりますし、このご時世、高騰で家計を圧迫させる電気代の負担も軽減できます。
性能については、高気密・高断熱はもう当たり前になっていると感じています。性能の差別化をするとなれば、弊社では、断熱性が高いZEH(ゼロエネルギー)住宅を推進する国の方針を受けて、時代を先取りする取り組みを実施しながら、「スーパーウォール工法(SW)」を推進しています。一年を通して外気温に左右されにくい室内環境、24時間計画換気システム・ダクトレスを用いた空気性能・耐震・耐久性能・遮音性能などに優れ、時代に求められる「人にも環境にも優しい家」を追求した工法で、少しでもお財布から出ていくものを抑えられる家づくりをしていきたいですね。そのための太陽光でもあるのかなと思います。もちろん金銭的なこともありますが、予算の限りでご提案をしています。しかし、一番は「お客様重視」で、それぞれの想いに応じた家づくりをするように心がけています。ひと昔前は、立派は木材を使った無垢材の和風の家が多かったのですが、みなさん長く住むとことを考えて、パッシブデザインと取り入れるなど、性能重視の方が多いように思います。私自身も性能や住みごこちを考えた“先を見据えた家づくり”をアドバイスさせていただいています。


「愛情」と「信頼」で紡いでいく
代表自らがお客様と直接ふれあい、打ち合わせや現場管理まで行うのは、なぜでしょうか。
お客様ひとり一人に、それぞれの想いがあります。その描く家に一緒に想いを重ね家を建てたい、建てなくてはいけないと常に心がけています。打ち合わせも現場管理も私が行っているのは、そんな想いからなんです。最初から最後まで責任をもって見届ける、私自身が見届けられないということは避けたいと思っています。そんなこともあり、お客様からの口コミや紹介がほとんどです。私が現場にいるので、そこで打ち合わせになることもしばしばあります。その前に打ち合わせは十分しているのですが、お客様が現場に来て初めて気付くこともあります。コンセントの位置とか。そういう時に人を介さず、お客様の要望をダイレクトに聞けるので、トラブルを防げますし、施工もスムーズに進行できます。
また、家づくりに携わるすべての人、例えば職人さんにも「ご縁があって建てていただき、永くつながっていくので、愛着を持ってやってほしい」と伝えます。せっかくいただいたご縁ですから、毎年全部のお客様を1件すつ巡って不具合を聞いたりして、ずっとお付き合いをしていきたいと思っています。父の時代に施工したお客様の中には高齢になった方もいますが、足を運んでフォローしています。それは、父の時代からやってきたことなので、私もその志を引き継いでいきたいですね。これは、父が長く続けてきたことでもあり、60年培ってきた財産ですから。

