工務店ってなに?なぜ注文住宅やデザイン住宅が得意なの?

2023.04.28
工務店ってなに?なぜ注文住宅やデザイン住宅が得意なの?

こだわった家づくりをしたい人には、工務店は気になる存在かと思います。実際、注文住宅やデザイン住宅の多くが地域の工務店で建てられています。

でもそもそも工務店ってなに?なぜ注文住宅やデザイン住宅が得意なの?

そんな疑問に答えます。これを知っていれば、ご自身の家づくりに合った工務店探しができるかも!

工務店ってなに?

工務店という言葉に正確な定義はありませんが、その地域(地場)のエリアで棟梁(親方)が職人を率いて家を建てる会社のことを慣用的にこう呼んできました。

今は、建築材の用意から足場組み、大工仕事、左官、屋根工事、内装、電気配線、下水道工事など家づくりに関わる工程を滞りなくすすめるための手配や管理を行う会社が一般的に工務店と呼ばれます。

一口に工務店と言っても、得意なことや方針が違います。たとえば、注文住宅を中心に施工する工務店、ベースプランを基に施主さんの要望を取り入れる施工を行う工務店、分譲住宅を中心に建築する工務店、公共施設に強みのある工務店、昔ながらの刻みを行う工務店など。その工務店の歴史、歩みとともに強みや特色が異なるのです。

ですので、理想の家を建てるにはまず工務店の種類を知っておくといいでしょう。

ハウスメーカーとの違いは?

そもそも工務店とハウスメーカーの違いとは?

これはあくまで一般的なイメージですが、ハウスメーカーは商品ラインナップが充実しており、性能が明示された住宅を建てやすい点、工務店は自由な間取りを決められたり住宅設備も自由に選べるフルオーダーの注文住宅を建てやすい点が、メリットとして挙げられるかと思います。

詳しくは「工務店とハウスメーカーの違いをシンプルに言うと・・・」をご覧下さい。

設計事務所と工務店の違いは?

設計事務所は新築の設計や監理を行い、施工は行わない事務所です。

自分のライフスタイルや価値観に合った家を自身のアイディアを反映して建てたい。そんなときは建築家に依頼すると自由な設計が可能です。自身のアイディアを叶えたい、間取りをゼロベースから作りたいなど、設計の自由度を最大限高めたいときに魅力的な選択肢と言えます。

ハウスメーカーのように工法や仕様が決まっていないため、自由な設計が可能です。また、設計者(設計管理)と施工者(建築)が別れるので、厳正な工事監理が可能となります。

設計事務所は、家の設計をして実際の建築は地場の工務店に依頼することが一般的です。

工務店と設計事務所を、そのできあがった家のデザイン性から区別することは難しいこともあります。これは、設計・デザインが得意な工務店も多くあるためです。

アーキテクトビルダーとは?

中には、建築士自ら、設計から現場施工まで行う会社もあります。これはアーキテクトビルダー(建築家ビルダー)と呼ばれたりします。設計と施工の両面に一人の建築士が責任を持ちますが、一般的に工務店と捉えられます。

工務店は注文住宅やデザイン住宅などの新築が得意?

工務店は、施主さんの要望や理想に向き合って設計・施工を行うので、注文住宅やデザイン住宅が得意です。注文住宅やデザイン住宅を建てたい方は、工務店に相談してみるのもいいでしょう。

注文住宅とは?

注文住宅とは、注文(契約)してから建築される住宅全般のことを言います。

注文住宅の反対は、建売(たてうり)住宅です。すでに建っている、あるいは仕様やデザインがすでに決まっていて、これから建つ家を購入します。

「すでに持っている土地に建てたい」、「移住先として検討している土地があり、そこに家を建てたい」などの場合は注文住宅となりますが、建売住宅の場合も可能です。「この土地で、あの景色が見えるような間取りにしてほしい」「ガレージが大きな家を建てたい」といった場合は、注文住宅になるでしょう。

デザイン住宅とは?

デザイン住宅とは、ゼロベースで依頼者の希望を聞き取って、建築士が細部までこだわって間取りや外観デザイン、内装、構造、設備を実現した住宅のことです。街でも目をひく個性的な家は、デザイン住宅であることが多いです。

工務店やハウスメーカーがそれまでの施工実績に基づき、外装や内装、床材、バス・キッチンなどの住宅設備を施主さんが選んでいくのが注文住宅の一般的な形ですが、デザイン住宅はその選択肢がないイメージです。

デザイン住宅なら、住宅設備や壁材、柱の樹種など建築素材もゼロベースで自由に選ぶことができることが多いようです。

デザイン住宅と注文住宅の大きな違いは?

工務店の実績に基づき、デザイン性と施工効率性のバランスをとったものが注文住宅なら、あくまでデザイン性や施主さんの希望を追求したのがデザイン住宅です。

デザイン住宅は、主に工務店や設計事務所に依頼して建てます。

工務店の種類、タイプ

ひとくちに工務店といっても、デザイン、建築技法、強度など得意な施工やこだわりはそれぞれ違います。

ここでは、そんな工務店の種類をご紹介します(一つの工務店が複数に当てはまる場合もあります)。

総合型

大工作業のみならず、基礎工事や屋根葺き、外壁工事、内装、外構、左官など大部分の工程を自社で行う工務店です。

棟梁型

昔ながらの刻みを行い、太い地元の材を使い、骨太の家を仕上げる工務店です。外壁の鎧張りや土壁、漆喰左官など今となっては珍しくなった技法も通常施工として行う工務店もあります。

設計士型・デザイン重視型

外観や内観のデザインにこだわった工務店です。

自由度を持って、家の外観デザイン、内装、壁材、床材、導入住設をいっしょに決めながら家づくりができる工務店です。一部、ベースとなる仕様を用意している工務店もありますが、どれも施工実績に基づいてデザイン性と住宅性能を兼ね備えたものばかりです。

家の外観やデザイン、間取りにこだわりたい施主さんに向いています。

地域密着型

地域の顧客から長年に渡り受注し、地域の製材所や左官屋、電気工事屋さんとつながっている工務店です。自然と地域材の利用率が高かったり、地域の気候、風土に合った建築工法を採用しています。

ベースプラン型

完全な注文住宅ではなく、いくつかのベースプランを工務店側が用意していて、このプランを基に、施主さんの希望に沿ってアレンジしてゆく施工を行う工務店です。

ベースプランを設けることで、工務店側は大幅な施工方法の変更を抑えられ、その分一棟一棟の建築から学んだことを次の建築に活かせます。そうして、同じ予算感でもおさまりなどが良い完成度の高い家ができあがります。

また、施主さんも過去の建築事例から自身の家の完成予想図をイメージしやすくなります。

商品ラインナップ・規格住宅型

ベースプランよりもさらに施工や仕様、導入する住宅設備を決めて、規格化した商品を販売・施工する工務店です。その工務店のこれまでの施工実績に培われた完成度の高い住宅商品と言えます。

下請け型・フランチャイズ型

ハウスメーカーとフランチャイズ契約をして施工を行ったり、分譲住宅会社の下請けを行う工務店です。

リフォーム特化型

リフォームを専門に行う工務店です。リフォームには臨機応変な対応が求められ。建築にまつわる幅広い知識と経験が必要とされます。むろん、リフォームの依頼も受け、新築も多く行う工務店も多くあります。

施工特化型

設計事務所(社外の建築家の設計)による施工をメインで請け負う工務店です。設計事務所が施工を依頼する先の工務店となります。設計事務所により家づくりは厳正な工事監理が行われます。

建売特化型

売建住宅を専門に販売する工務店です。工務店が土地を購入し、そこに建売住宅を建てて販売します。

自分にあった工務店の探し方

ご自身がどんな家を建てたいかをまずは整理した上で、その分野に強みのある工務店に相談するのがいいでしょう。

HPに掲載されている実際の施工事例のページを見て、「こんな家なら自分のイメージに合いそう」「こんな家に住んでみたい」と思ったら、その工務店に相談してみるのもいいでしょう。

山梨の工務店なら、ナナマチで施工事例や代表の考え方を知ることができます。

知り合いから信頼できる工務店を紹介してもらったり、住宅展示会で工務店の担当者と直に話してみるのも良いでしょう。山梨県内最大規模の家づくり相談会は以下です。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

writing:ヒノキブンコ