外壁の種類について〜それぞれのメリットや味わいの違いなど

2022.12.08
外壁の種類について〜それぞれのメリットや味わいの違いなど

家の外観を左右する外壁。

新築でもリフォームでも、自分のイメージにあった外壁に仕上げたいものですね。

また、外壁のメンテも気になるところ。

ここでは、外壁の種類ごとの味わいやメリットを解説します。

外壁の種類について

窯業系

窯業系サイディングは、セメント質や(木質)繊維質を板状に成型した外壁材です。窯(かま)という文字のとおり窯で焼いて作ります。

防火性・防水性が高く、低コスト。耐用年数は30~40年と長めです(それ以上長い商品もあります)。色やデザインのラインナップも豊富なので、住宅外壁材の約8割と高いシェアを占めます。

さらに最近は、あえて一点一点均質化せず、セメントの質感をそのまま活かした商品も人気です。

たとえば「SOLIDOシリーズ」(ケイミュー株式会社)。

セメントの質感を活かした壁材SOLIDO(ケイミュー株式会社HPより)

セメントが生み出す偶然の模様はそのままに、1枚として同じ表情のない無垢外壁は、天然素材の質感を好むお施主さんやオシャレな飲食店で広く採用され、グッドデザイン賞も受賞しました。

インスタでもその良さを紹介したことがあるので、ぜひご覧下さい↓

一般的な窯業系サイディングは、継ぎ目部分に使用するコーキング材が経年劣化するため、外壁材自体が劣化していなくても、コーキングのメンテナンスなどが必要になるケースがあります。

金属系サイディング

金属系サイディングとは、金属板を加工して裏側に断熱材を入れて施工する外壁のことです。住宅の外壁で、窯業系の次に高いシェアを占めます。

素材には、ガルバリウム鋼板、塗装ステンレス鋼板などがあります。耐用年数は30~40年と長いのがメリットです。

金属系サイディングの中でとくに人気なのがガルバリウム鋼板。錆びにくく、比較的低コストで、軽量で加工・施工しやすいためです。

防水性に長け、汚れも付きにくいため、軒を短くできるようになり、家のデザインの自由度が広がります。

木材(板)系

杉やヒノキなどの板材を縦向きや横向きに貼って外壁とするタイプです。

横向きで、少し重ねるように施工する『よろい張り』は古くから日本家屋で用いられてきた施工方法。存在感があり、年月とともに味わいが変化していくのも他のサイディングには見られない特徴です。

また、『焼杉板』の外壁も昔から用いられます。焼くことで表面に炭化層をつくり、これが塗料の代わりとなって腐食しにくくなり、高い耐久性を長年にわたって維持します。表面の汚れももはや目立つことがないため、メンテナンスはほぼ不要。意匠性高く、伝統的な風合いが醸し出されます。

また、木材部分を雨樋などといっしょに、自分好みのカラーに塗装して、家の外観を仕上げることもできます。

塗装された木質系外壁

ALC系

ALC系サイディングとは、ケイ酸質、セメント、石灰、アルミ粉末が主原料でオートクレーブ処理(高温高圧蒸気処理)で養生された軽量気泡コンクリートのことです。

一般住宅の外壁材に広く用いられます。

水に浮くほど軽いため耐震性があり、また耐火性も高いため、一般住宅にとどまらず、高い耐震・耐火性能が求められる中低層建築物の外壁材や公共施設や文化財保存施設、高層ビル・マンションの建材として使われています。

防水性が低いため、塗装によって防水する必要があります。

モルタル系

モルタルとは、砂とセメントを混ぜ合わせた材料です。材料自体は低コストで、継ぎ目のない大壁のような施工が可能。デザインの自由度が高いのが特徴です。

施工時に自由に模様をつけることもでき、ALC同様、防火性が高いのもメリットです。

他の外壁材と大きく異なる点は、左官屋さんによる塗りによって施工が完成する点です。これまで紹介した外壁材は、材を施工する場所に合わせてサイズをカットしながら施工しますが、モルタルは職人さんがコテで直接塗って仕上げます。そのため、スキルによって仕上がりや耐久性が変わります。

以上、住宅の外壁についてでした。

外壁は家のイメージを左右する大事な要素ですが、選択肢も多いようです。新築やリフォームを計画中の方はぜひ、参考にしてみてください。